思うところがあって

              母方の祖父母の所へ行ってきた

         祖父は痴呆で僕の事などはもう判らない様子で
            耳も悪いので話しかけても返事はなし
               部屋から便所を何度も往復する
           痛むのか椅子に座って足をドンドンと鳴らす
          さすってあげると不思議そうな顔でこちらを見る
           仕舞ってある物を引っ張り出し散らかす
                  昼夜の区別もなく
             放おって置くと外へ出てしまい危険
               痴呆が進んだのはここ数年
                  会うたびに酷くなる
                介護をする祖母が心配だ

                      明方
             ソファーで寝ているとドンと音がした
               目を開けると椅子に祖父がいた
                   眠れないの?
                 聞いても返事はない
             もう一度寝ようとモゾモゾしていると
                    『大丈夫か』
                    そう言った
             祖父が今回初めて話しかけてくれた
                    大丈夫かと
                   なぜか戸惑った
            もう一度 今度はしっかりとこちらを向いて
                  『大丈夫なのか?』
              祖父の瞳に吸い込まれそうだった
                  うん だいじょうぶだよ
                    涙声になった
              祖父はそうかと頷いて椅子で眠った

               朝一で走った海は僕専用だった
                  うん だいじょうぶだよ
             ヘルメットの中で呟くと海が笑っていた

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by unatarou-de | 2007-06-20 21:11 | 行って来た